順天堂医学
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話題 インフルエンザ
現実となった新型インフルエンザパンデミック
川名 明彦
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2009 年 55 巻 3 号 p. 250-255

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抄録
新型インフルエンザによるパンデミックに向けてわが国を含む世界は準備を進めてきた. パンデミックを起こす新型ウイルスの第一候補として鳥のインフルエンザA/H5N1が想定されていたが, 2009年春, 豚由来のA/H1N1によるパンデミックが始まった. 本ウイルスによるインフルエンザは, 臨床的には季節性インフルエンザと類似し, 多くは良好な経過をとるが, 罹患好発年齢が10歳代に多い点や, 特に基礎疾患を持つヒトで重症化する等の特徴も報告されている. わが国においても8月であるのにも関わらず本インフルエンザの本格的な流行が始まっている. 今後さらに流行の規模が拡大することが予想され, 早急に準備体制を整備する必要がある.
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© 2009 順天堂医学会
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