人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第22回 (2008)
セッションID: 3A3-9
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大規模マルチエージェント交通シミュレーションのための運転者のモデル化手法の提案
*田中 祐介中島 悠服部 宏充石田 亨
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抄録
交通問題は,多数の運転者の振る舞いの集積により,多様な状況が生み だされる複雑な問題である.この問題に対して,個々の運転者を,エー ジェントとして独立した意思決定主体として定義し,エージェント間の 相互作用によって交通状況を再現できるマルチエージェントシステムの 適用が有望である.既存のマルチエージェント交通シミュレーションの 多くはマクロ的な視点によるアプローチであり,ここでの各運転者のモ デルは,統計量などに基づいた均質なモデルが仮定される事が多い.既 存のアプローチでは,交通ルールなどの社会的な制約が変化した場合の 個々の運転者の振る舞いの変化を分析することが困難であり,また運転 者の多様な運転特性は,交通現象の詳細な分析のために無視できない. 例えば,高齢の運転者が増加した状況で起こる交通現象を分析するには, 個々の運転操作のモデル化が必要である.筆者らは,統計量に基づくモ デル化ではなく,環境に対する振る舞いをモデル化するアプローチを採 り,本論文では,個々の運転者のモデル化手法を提案する.本手法は, 3Dドライビングシミュレータ上での仮想道路の走行を通して被験者の運 転操作ログを取得し,またインタビューにより,道路環境と運転操作の 因果関係を明らかにし,操作ルールを生成する.運転操作ログ,および 操作ルールをもとに仮説推論を行い,個々の運転者モデルを獲得する. 本論文では,若齢の運転者と高齢の運転者からデータを取得し,運転モ デルの構築を試みる.
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© 2008 社団法人 人工知能学会
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