抄録
「注意の場」は加齢により変化する。
また、矢印や視線の認知も注意の場に影響を与える。
これまで、矢印や視線による注意の場の変化が
若者と高齢者でどう違うかについてはあまり注目されてこなかった。
そこで本研究では、若者と高齢者の2集団に対し、
矢印や視線の後にモニタに現れるターゲットへの反応時間を
計測することで注意の場がどのように変化するかを観察した。
幾何学的な矢印と生物学的意味を持つ視線では自閉症や統合失調症など
脳に何らかの障害を持つ患者において大きな違いが表れるという報告もあるため、
注意の場に関する研究は認知症を含む脳機能障害の研究に寄与することが期待される。