主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
回次: 32
開催地: 鹿児島県鹿児島市 城山ホテル鹿児島
開催日: 2018/06/05 - 2018/06/08
多層ニューラルネットは様々な実データに対し,高い予測性能を実現しているが,その内部表現を人が理解することは難しい.我々はこれまで,データから学習された多層ニューラルネットに対し,ネットワーク解析を適用することにより,各層において隣接する層のユニットと似た結合パターンを持つユニットのグループ(コミュニティ)を推定する方法を提案してきた.これらの研究においては,ニューラルネットから抽出された各コミュニティ間に存在する複数の結合を,閾値処理に基づいて1本の結合束として表現することにより,構造の単純化を行っていたが,コミュニティ間がどの程度強く結びついているかを知る方法は存在していなかった.本研究では,多層ニューラルネットから抽出されたコミュニティ構造に対し,新たな結合束の定義法と可視化手法を適用することにより,各コミュニティが入力側の層におけるどのコミュニティと最も強く結びついているかを知ることを可能にした.また,実際に図形認識のデータセットを用いて学習した多層ニューラルネットに対し,提案法を適用することにより,各コミュニティの役割について考察を行った.