主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
回次: 32
開催地: 鹿児島県鹿児島市 城山ホテル鹿児島
開催日: 2018/06/05 - 2018/06/08
本稿では、繰り返し貪欲組合せオークションを用いた、利己的なマルチエージェント間における経路探索メカニズムを提案する。マルチエージェント経路探索(MAPF)は、各エージェントがそれぞれのスタートからゴールまで、衝突することなく移動し、全体のコスト(例えば、全エージェントの移動時間)を最小化する経路を探索する問題である。組合せオークション(CA)は、複数の商品を、利己的なエージェントの効用の総和が最大であるように割り当てる問題である。近年の2つの研究で、利己的なエージェント間でのMAPFの手法が提案されている。1つは、ITFと呼ばれる、同時競り上げオークションに似た枠組みを用いている。また、もう一方では、CAを用いて、全体のコストを最小化する手法を提案している。しかし、ITFを用いた手法には近似保証がなく、CAを用いた手法は計算困難(NP困難)であるという欠点がある。本稿では、計算効率の良い繰り返し貪欲組合せオークションを用いた、2種類の手法を提案する。また、1つ目の手法は、エージェント数の2乗の近似保証を持ち、2つ目の手法は、数値実験においてITFより全体のコストが低くなることを示す。