トランスサイエンス問題を市民参加によって取り扱うために、いくつかの手法が試みられてきた。 しかし、これらの手法は多くのリソースを必要とし、また、そこでの議論には多様な選択肢や評価基準が含まれており、議論の参加者が重要な論点を可視化して共有することは困難であった。そこで本研究では、AHP(Analytic Hierarchy Process)に基づいたワークショップ手法を開発し、集団的意思決定、合意形成、コミュニティ形成、市民学習のための新しい方法を提案することを目的とする。本研究により、今回開発した手法により、ワークショップ参加者の価値体系とその多様性が構造的に可視化、共有され、そのことが各参加者の意思決定の確信度に影響を与えることが示唆された。