主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
鉄道事業者にとって,鉄道の軌道形状の変形である軌道狂いの予測は,安全性の確保や保守計画の管理のために重要である.本論文では,新幹線軌道の高低狂いの時空間予測のために, convolutional long short-term memory (ConvLSTM) に基づく深層予測モデルを提案する.提案モデルは,高速検査列車が測定した軌道狂いや動揺などの時空間データだけでなく,軌道構造や地盤などの静的なカテゴリカルデータ,保守作業有無の2値時系列データを用いて学習される.学習では,回帰タスクでは十分な精度が達成できなかったため,高低狂いを2mm単位に量子化したうえで分類タスクとして定式化し,分類精度の観点から予測精度を評価している.実データを用いた実験評価では,高低狂いが進行している要注意地点において,提案モデルは,軌道構造や地盤などの静的なデータや保守作業日記録の時系列データを用いた方がより高い予測性能を示す結果が得られている.