主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
確率分布同士の距離を表現可能な最適輸送問題は幅広い分野に応用されている.最適輸送問題では,厳密な質量保存を表す制約条件を有する線形計画問題を解く必要があるが,線形計画問題を高速に解くことが困難であることが一般に知られている.当該問題を解決するため,制約条件の質量保存を緩めた緩和最適輸送問題が提案されており,解法の高速化の実現だけでなく,緩和した制約がより有効に働くいくつかの問題例(色転写問題等)が報告されている.本稿では,そのような緩和問題の中でも凸緩和最適輸送問題に注目し,新たな高速解法を提案し,理論的解析を行う.具体的には,Frank-Wolfe アルゴリズムに基づいた高速最適化手法を提案し,提案した手法の最悪収束反復数の上限値を示す.最後に数値実験から,提案手法が従来手法よりも速く収束することを示す.