主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
本稿では,価値共有を行うことにより組織内での信頼が向上し,生産性向上に影響するかどうか検証することを目的とする.[ZAK, Paul J. 17]は,企業組織において,信頼関係など意図的に社会的な絆を構築することによってパフォーマンスが向上することを示した.[磯川 等. 20]によると,価値共有を行う場合人とは目標を,AIとは手段の共有を行う方が信頼に対して効果的であることが明らかになった. 場面想定法を用いて,情報提供者と価値分配条件の違いを考慮して 310名の参加者を対象に調査を行った.その結果,人の場合では,共有の有無による違いがみられたが,AIでは違いがみられなかった.また,価値共有条件と情報提供者に交互作用がみられ,AIでは目標の共有を行うこと,人とは手段の共有を行うことで,生産性の向上に対してより効果的であることが分かった.この点はさらなる検証が求められるが,本研究の結果は企業組織において AI と人間との協働を考えるうえで一定の示唆があるといえる.