人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第35回 (2021)
セッションID: 2F4-GS-10h-03
会議情報

価値共有が及ぼす生産性向上への影響
*宮尾 怜奈上向井 麻希貞廣 瞳奈藤原 大樹米杉 拓真
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

本稿では,価値共有を行うことにより組織内での信頼が向上し,生産性向上に影響するかどうか検証することを目的とする.[ZAK, Paul J. 17]は,企業組織において,信頼関係など意図的に社会的な絆を構築することによってパフォーマンスが向上することを示した.[磯川 等. 20]によると,価値共有を行う場合人とは目標を,AIとは手段の共有を行う方が信頼に対して効果的であることが明らかになった. 場面想定法を用いて,情報提供者と価値分配条件の違いを考慮して 310名の参加者を対象に調査を行った.その結果,人の場合では,共有の有無による違いがみられたが,AIでは違いがみられなかった.また,価値共有条件と情報提供者に交互作用がみられ,AIでは目標の共有を行うこと,人とは手段の共有を行うことで,生産性の向上に対してより効果的であることが分かった.この点はさらなる検証が求められるが,本研究の結果は企業組織において AI と人間との協働を考えるうえで一定の示唆があるといえる.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 人工知能学会
前の記事 次の記事
feedback
Top