人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第35回 (2021)
セッションID: 2I1-GS-5a-01
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共感を考慮した依頼モデル
*永井 明日美竹川 高志
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抄録

明確な報酬を伴わないで依頼を行う場合が多数存在する.この依頼関係において,依頼を引き受けることはコストのみが発生し利得が得られないため,一見,合理的ではない.しかし,人間はこのような場面において,依頼を引き受けることがある.このような行動は,一般には将来の利得を 想定した心理的な貸しや借りにより解釈しうると考えられ る.しかし,実際に引き受けるか否かにあたっては何らかの根拠が必要となる.本研究では,被依頼者が依頼者の利得に共感することが報酬にあたるものと想定し,数理モデルで表現し,シミュレーションを行った.その結果,二者が相互に依頼行動する場合には,共感により長期的な実利得が増大することがわかった.そこで,次に,依頼の際の情報交換に注目し,虚偽の申告が行われることや,誤解が生じていた場合では,行動戦略や報酬にどのように影響するのかを検討した.虚偽の申告や,誤解が ある状況で共感をすると,前者と同様の行動戦略では報酬 は下がるため,行動戦略を変化させる必要があることがわかった.

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© 2021 一般社団法人 人工知能学会
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