主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
本研究では,マルチエージェント交通シミュレータと費用便益分析を用いたシミュレーションにより,MaaS の導入効果の評価を行う.事例として,2019年11月に静岡市で実施されたMaaS実証実験を使用する.この実証実験では,鉄道や路線バスに加え,オンデマンド型乗合サービスであるSAVS (Smart Access Vehicle Service) が導入された.シミュレータでは,SAVS車両と利用者をエージェントとして扱い,1日の交通状態を表現する.SAVS は配車経路最適化手法に,利用者は交通手段選択モデルに従って動く.またMaaS 導入の効果を定量的に評価するために,費用便益分析アプローチに従って,複数の観点(利用者・供給者・自治体など)からいくつかの指標を定義する.実データとシミュレーションを用いた分析の結果,MaaSの導入は費用効果の高い利益を生み出さなかったことがわかった.しかし,SAVSの車両数と料金を適切に設定すればサービスが成立することを示した.