親密化に伴うグループインタラクションの変化

抄録

本研究では、実際のグループ会話に注目し、親密化に伴うグループインタラクションの継時的変化や共時的差異について分析を行なった。まず、量的分析の結果、会話行動に与える影響は、関係初期には座席配置などの物理的な環境要因の影響が大きいが、関係が進むと、親密度などの心理的要因の影響が大きくなることがわかった。また、質的分析の結果、グループ全体との結合が強い参加者は、誰でも参加可能な話題開始のデザインを用いていたのに対し、特定の参加者との結合が強い参加者は、それ以外の参加者が参加できないようなデザインを用いていた。