主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
電気自動車(EV)の普及にともない,充電ステーション(CS)の混雑が予想されている.CSでの待ち時間は利便性を低下させるため,予約システムの導入が検討されている.しかし実際に導入された事例は少なく,導入による影響や効果的な運用方法などの知見は得られていないのが現状である.そこで,交通流シミュレータを用いた仮想空間内での実験を行う.本研究では,現実世界でのEVドライバの充電予約行動を仮想空間内で表現するための充電予約行動モデルを作成した.このモデルの予約判断は,個別のエージェントに与えられる四つのパラメータと,そのエージェントの経験によって決定される一つのパラメータを用いて,予約した場合と予約しなかった場合の期待効用を算出することにより行われる.CSの数や予約の必要な充電器の数が異なる多様な充電環境を用意し,その中で特定のパラメータを持つエージェントがどのような振る舞いをするか分析した.その結果,CSへの予約システム導入が効果をあげるためには,EVエージェントの効用パラメータが予約必須の充電器の導入状況に合わせた適当な範囲にある必要があることが判明した.