主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
人間同士の対話において,ある時点での発話は,過去の文脈だけでなく未来の展開に動機付けられる場合がしばしばある.未来の展開を先読みし,それを現在の発話に活用することは,能動的な対話の進行に重要な要素のひとつであり,近年,ニューラル対話応答生成の研究領域においても未来の展開を先読みする能力は注目されつつある.我々はこれまでに対話システムの先読み能力を分析可能な「先読み雑談タスク」を提案した.本研究では,対話システムの先読み能力を実現するために,既存の対話システムの枠組みに対し未来の展開まで生成する学習戦略を提案する.具体的には,入出力がそれぞれ過去の文脈,未来の展開を含む複数発話で構成される対話データを用いて,応答とその先の未来の展開まで生成するsequence-to-sequenceモデルを構築する.実験では,提案戦略で学習した対話システムを用いて「先読み雑談タスク」を実施し,システムが先読みをおこなえるのか分析する.実験結果から,既存の対話システムの枠組みで先読みをおこなう難しさを考察する.