主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2021年度人工知能学会全国大会(第35回)
回次: 35
開催地: オンライン
開催日: 2021/06/08 - 2021/06/11
金属薄膜は幅広いデバイスの部品に利用されている。例えば,配線や電極、導電膜等がある。これらは製品の正常動作に重要な部分であるため、薄膜の損傷の予測は、製品の信頼性の観点で重要である。特に、薄膜の導電性を利用した部品のFPC(フレキシブルプリント基板)では大ひずみが繰返し生じ厳しい疲労条件に置かれるが、金属薄膜の疲労過程は極めて複雑で予測が困難である。そこで、表面で観察される疲労き裂を直接評価でき、高精度に予測できる可能性があるCNN(畳み込みニューラルネットワーク)を用いて、FPC上金属薄膜の疲労損傷を予測する手法を検討した。本研究では銅薄膜表面の顕微鏡画像を対象とし、低サイクル疲労損傷の予測を行った。疲労き裂伝播を予測するCNNの学習時には,損失としてMSE lossとVGG lossの和を用いた。その結果,疲労損傷によるき裂の伝播を実測とほぼ同等の位置に予測できた.また,疲労損傷によって増加する電気抵抗比を6%の誤差で予測できた.