主催: 一般社団法人 人工知能学会
会議名: 2025年度人工知能学会全国大会(第39回)
回次: 39
開催地: 大阪国際会議場+オンライン
開催日: 2025/05/27 - 2025/05/30
推薦システムは,ユーザの嗜好に応じたアイテムを提案することで,さまざまな分野において重要な役割を果たしている.近年では,精度と多様性,新規性のバランスをとる多目的推薦が注目されているが,特にコールドスタートユーザについて適用することが困難である.本研究では,コールドスタートユーザに多目的推薦を適用させるために,類似した既存ユーザの嗜好を活用するアプローチを目指している.その一環として,SVD,LightGCN,NCFについて,多目的推薦の指標である多様性と新規性をどの程度捉えることができているのかを調査した.その結果,SVDでは高次元空間において課題が見られたものの,SVDとLightGCNでは多様性と新規性を捉えることができている傾向を確認した.一方,NCFは一貫して,埋め込み表現において多様性と新規性を捉えることができなかった.これらの知見は,潜在空間における埋め込みが類似しているユーザは,多様性と新規性の値も類似しているという仮説を支持するものであり,コールドスタートユーザに対しても多目的推薦を行える可能性が示唆された.