人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 1Win4-103
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不規則な刺激提示に対する発話行為が動作に及ぼす影響
~ 知覚反応テストの反応時間と運動感覚的印象に注目して ~
*山田 雅敏高田 亮介
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抄録

スポーツではスキルの動作中に声を出すことが推奨されている場合が多いが,言葉が介在した動作は,一瞬の遅れや緊張を引き起こす危険性が考えられる.そこで本研究の目的は,認知科学の視座から実験室実験を通して,不規則な刺激提示に対する発話の色弁別が動作の反応に及ぼす影響を検証することにある.方法は,被験者33名に対して円が表示されるまでの時間が不規則な知覚反応テストを受けるように教示した.赤円か青円のどちらが表示されていても「はい」というタスクをCT,赤円が表示されているときに「あか」,青円が表示されているときに被験者が「あお」と言うタスクをTTに設定し,赤円が表示された時のみスペースキーをできるだけ早くクリックするよう教示した.また発話の難易度とクリックのスピードに関する運動感覚的印象を確認した.結果は,TTの反応時間が有意に遅いことが認められた.またクリックのスピードの運動感覚的印象については差が認められなかった一方で,発話の難易度についてはTTが有意に難しいことが示された.考察から動作中の発話により実際は反応が遅れているにもかかわらず,遅れに気づかずに誤った認識をする可能性が示唆された.

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