ニューラルネットワークによるAIには大きな進展が見られているが、論理思考の能力においては限界が指摘されている。そこでグラフィカルなネットワークの解析によって論理思考を体現する方法を提案する。圏論はグラフィカルなネットワークを扱う数学の手法であるが、射の合成則、恒等射の存在、ネットワーク間の対応付けを行う関手といったグラフ理論には無い演算を持ち、論理的な厳格さと柔軟さを両立させた処理が可能である。認知言語学の知見を頼りに人間の認知メカニズムを体現できるネットワーク構造について検討し、自然言語の動詞に対応する「アクション」とそれを実行する「参加者」で構成され、それらが射によって結びついたグラフィカルなフレームワークであるコグニティブログを考案した。本発表では、その基本的考え方及び様々な応用への可能性について報告したい。
