VTuber市場におけるクリエイター属性とファン基盤の分析

抄録

本研究は、2022・2023年にデビューしたVTuberを対象に、クリエイターの属性（事務所所属の有無およびキャラクター性別）とファン基盤（エンゲージメント量とファンの類似性）の関係を定量的に分析したものである。FANDOM WIKIやYouTube API、yt-dlpを活用し、各VTuberの初回投稿からのコメント数推移や、ファン重複度を指標として評価した。その結果、事務所所属のVTuberは初動および中長期的に高いエンゲージメントを維持し、また、大手事務所に所属するVTuber間ではファンの重複が顕著であることが示された。さらに、男性キャラクターがやや有利な傾向も明らかとなった。これらの結果は、企業による支援がVTuberのファン基盤形成に寄与している可能性を示唆するとともに、今後のデジタル配信環境下でのクリエイター支援策の検討に資する基礎データとなる。