人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第39回 (2025)
セッションID: 3Win5-70
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消費者と企業の区分情報を活用した物価センチメント指数のセグメント化
*鈴木 雅弘坂地 泰紀
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抄録

本研究では,消費者のみならず企業の観点からも物価動向を把握するための物価センチメント指数(PSI)の構築を目指す.我々は,内閣府が実施する景気ウォッチャー調査から物価に関するコメントを抽出し,大規模言語モデル(LLM)を用いてこれらのコメントが示す物価の方向を分類する.FinBERTとLLMを組み合わせることで物価の方向をより正確に分類することが可能となり,さらに複数のLLMの出力を統合することで分類性能が向上する可能性が示唆された.このように分類された物価に関連したコメントを用い,消費者と企業,財とサービスの視点を組み合わせた詳細なPSIを構築する.コメントが消費者の視点を反映しているか企業の視点を反映しているか,またコメントが財に関するものかサービスに関するものかを,コメントの分野および回答者の業種の情報によって区分することで,異なる目的のPSIを作成する.構築したPSIは,先行研究のPSIに比べ,既存の指数に対して高い相関がを示した.特に消費者向けPSIは,調査回答者の業種に基づいてコメントを選択し集計することで相関性がさらに向上することが確認された.

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