本報告では、計算機により行列の固有値を数値的に求めた場合に、その精度を高速かつ要素別に保証する方法について考察する。近似固有値の近くに真の固有値が存在することを検証し、近似解と真解との誤差を評価法として、ゲルシュゴリンの定理を適用した方法を提案する。ゲルシュゴリンの定理の適用により、近似固有値の精度を各要素別に評価することが可能となる。行列のノルム評価の数値計算に対して大石による計算アルゴリズムを用いることで、本手法による固有値の精度保証は近似解の計算とほぼ同等の時間で実行可能である。本手法は一般的な数値計算ソフトウェア上で容易に実現可能であり、数値例としてGNUフリーソフトウェアOctaveを用いての計算結果を紹介する。