日本応用数理学会年会予稿集
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セッションID: W01
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W01 組合せ論のエマージングアプリケーション
Frequncy hopping系列の生成と情報通信
藤原 良
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抄録

"スペクトラム拡散通信方式の一つの方法で周波数ホッピング(Frequncy hopping)多元接続といわれる方式がある.これは携帯機器間の通信に使われる Bluetooth規格で用いられている方式である.この方法はまず,与えられた周波数帯域が数十,数百の狭帯域に分割してあるとする.これを周波数ライブラリー(frequency library)とよぶ.そして,ある微少時間区間毎にこの周波数ライブラリー内の狭帯域を変更しながら通信をする方法である(Bluetoothでは1600回/秒).周波数帯域の変更順序はある系列に従う.この系列を周波数ホッピング系列(frequency hopping sequence)という.またFH系列と略すこともある.異なる送信者が同じ周波数ライブラリー上でホッピングしながら通信をする.その時,いくつかのスロットで同じ周波数を使ってしまうこともありうる.この周波数の衝突をヒット(hit)と呼んでいる.すなわちヒットすると異なる発信者が同じ周波数帯に信号を送るため,正確に受信できない可能性がある.そのためできるだけヒット数の少ないFH系列が要求される.1970年代後半から,その上界や上界に届く最適なFH系列の構成法が研究されてきた.構成法は主としてM-系列を利用した方法が主流であった.2001年に Fuji-Hara, Miao and Mishima は今までとは全く異なる組合せ理的な構成法を提案した.この方法を使うと,いままでにない長さで最適な系列がたくさん構成できる.組合せ理がFH系列の構成に如何に役立つかを中心に解説する."

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© 2002 日本応用数理学会
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