海岸工学講演会講演集
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大阪湾および瀬戸内海西部の高潮数値計算について
宮崎 正衛上野 武夫
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1962 年 9 巻 p. 12-17

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抄録

われわれは伊勢湾の高潮数値計算について前回本学会で発表した。同じく東京湾についてもすでに発表した。これらにつづき大阪湾および瀬戸内海西部について行なったのでここにその概要を報告する。
(1) プログラムを改めた結果同じ格子間隔に対し数値計算される点が前回より倍細かくなった。また, これにともなって流速ベクトルの成分が同一格子点となった。
(2) 広大な外洋について計算するため運動方程式にコリオリ項を入れた。
(3) 外洋をふくむ第1次計算によって各湾口または海, 峡の値を求め, これを湾口または境界条件とし問題海域をさらに細かい格子を用いて第2次計算を行なった。
(4) 気象条件として毎時間の台風位置およびその気圧の観測値を用い, さらに10分ごとにそれらを内そうした。
(5) 大阪湾については, 阪神港外の防波堤効果を調べた。
(6) 伊勢湾台風が室戸台風の経路を進んだ場合, 大阪南部で最大偏差332cm, 同じくルース台風の経路の場合, 波方で244cmが計算された。防潮効果は神戸で86cmが室戸台風の場合に計算された。

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