2002 年 49 巻 p. 1096-1100
内湾養殖域の沈降懸濁物と底泥及びヴェトナムのエビ養殖池の海水に含まれる抗生物質濃度を分析した. 人工餌料が使われるようになって沈降懸濁物は減少傾向にあるが, 抗生物質は多量に含まれ, 分解しにくいアンピシリンは底泥中に高濃度で残留していた. エビ養殖池の海水中に含まれるサルファ系抗生物質の濃度レベルは0.05-2.3ppmで極めて高かった. 10~200μMのオキシテトラサイクリン (OTC) 含有培地中でプランクトン (A. klebsii及びS. costatum) を培養した結果, いずれの場合もOTC濃度が高い程吸収されやすくかつ細胞中に蓄積されやすいことがわかった. また, OTCは初期段階でこれらプランクトンの増殖を促進した.