海岸工学論文集
Online ISSN : 1884-8222
Print ISSN : 0916-7897
ISSN-L : 0916-7897
大分県中津干潟における市民計画型干潟生物調査と海岸環境保全策の提案
清野 聡子足利 由紀子山下 博由土屋 康文花輪 伸一
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 49 巻 p. 1136-1140

詳細
抄録

生物相や環境変遷の自然史文献がない海域では, 環境の基礎情報が決定的に不足しており, 管理や保全の計画の立案のための基礎情報がない. 瀬戸内海西部周防灘は豊かな生態系に恵まれているが自然史情報が欠落している. 大分県中津干潟では市民が中心となり研究者が支援する環境調査活動が行われている. その結果にもとづき, 無堤地区の海岸環境保全策の提言が行われた. 港湾開発時の環境アセスメント結果は広く公開されなかったため, 干潟の広域的な情報が含まれていたが活用され得なかった. 地域住民の主体的な調査は, 地元での環境学習や永続的環境管理の動機付けとなる. 今後は官学民の調査の各々の特性を活かした補間関係による情報の重層化と活用が不可欠である.

著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top