2002 年 49 巻 p. 1406-1410
化石エネルギーに代わるクリーンエネルギー利用に水素吸蔵合金の活用が注目されており, この合金のエネルギー貯蔵機能を利用した応用技術のひとつとして合金に与える温度差により発生する水素圧により駆動力を得るMHアクチュエータがある. 港湾・漁港域では港内の水質悪化や港内結氷の対策としてポンプ動力を利用した海水交換が考えられるが, 商用電源を利用するにはランニングコストが増大するといった課題がある. 本研究では, 自然界にある温度差とMHアクチュエータを利用した低コスト型海水交換装置を試作し, 室内試験により装置の性能・特性を明らかにするとともに, 実用化の可能性について検討を行った.