電磁波 (マイクロ波) の海面散乱特性と風波の物理現象との関連を風洞水槽による室内実験で検討した.これは陸上設置型海洋観測レーダで取得される海面散乱電磁波と観測対象の風波との物理的関係を明確にするためである.実験の結果, 波峰部において低風速時では擾乱による, また高風速時には白波砕波による電磁波のウエッジ散乱が強く観察された.この散乱は海面での電磁波散乱の支配要素であることが分かった.また風速が大きく, 白波砕波が大規模になるにしたがって, この砕波による電磁波の散乱強度も大きくなることが分かった.そして海面散乱波のドップラーシフトは風波の位相速度に対応していた.