2002 年 49 巻 p. 601-605
複素主成分分析は, 膨大な量の深浅測量データを統計的に解析し海岸地形変化のパターンを抽出する一つの有用な方法である. しかし, 対象領域内の場所毎に地形変化のパターンが大きく異なる場合, 複素主成分の1モードだけで領域全体の変化を記述しようとすると結果は漠然としたものになる. そこで本研究では, 領域内の地点毎に最適なモードを選択し変化パターンの違いを明確に表示するために, 局所寄与率を導入した. さらに, Sylt島海岸における深浅測量データにこの手法を適用し, 養浜実施後の地形変化の特性を明らかにした.