抄録
近年問題となっているアサリ漁獲量の減少は, 底泥環境の悪化と密接に関係しているのではないかという観点から, 熊本県沿岸部において底泥環境調査を実施し, 底質の鉛直分布および底泥による酸素消費の底質との関係を調べた. 植物プランクトンが底泥表面に堆積し, バクテリアによって分解されることにより, DO濃度が減少し, 底泥環境が悪化することが示された. 酸素消費速度は北部に向かって値が大きくなり, 底泥環境も悪くなっていることが明らかとなった. これは湾奥部に向かってDO濃度が低くなるという浅海定線調査データと矛盾しない傾向を示した. 酸素消費速度は熊本県沿岸部だけでも40倍の差が生じていることが明らかとなった.