抄録
港湾や漁港の外郭施設の多くには垂直構造が採用されている.これらの施設は, 防災及び港湾機能確保の両面から経済成長を支えてきたが, 一方で環境面の様々な課題を生んだ.今後, 港湾事業のグリーン化が進められる中, これらの垂直構造物をいかに環境機能を有するものに改良できるかが重要な課題といえる.本研究では, 全長4, 433mの垂直構造である西宮沖防波堤において「ロープ式藻場」を用いた藻場造成の基礎的な実験を行った.実験の結果, 垂直面に若干の傾斜を有する基盤を付加することによって, 海藻が生育可能になることが明らかになった.垂直構造物が防災面での機能に加え, 環境面でも大きな価値を生むポテンシャルを有することが検証できた.