抄録
ハリケーン・カトリーナは, 自然災害では米国史上最悪といわれる甚大な被害をもたらした. 著者らは今後の沿岸防災に資するため, 二回の現地調査を実施した. この災害はルイジアナ州からアラバマ州にわたる広範囲の災害であり, 7mに達する高潮で多様な災害が発生した. 本研究では, 特にワーストケースに備えるという視点から, この災害調査の結果をまとめ, その特徴や学ぶべき点について検討した. ハード防災を主体とするニューオーリンズでは, ワーストケースに対する備えが市民も行政も十分でなく, ソフト防災のロングビーチなどメキシコ湾岸に比べて死者が多かった. 特にハード防災では, ワーストケースの災害シナリオの作成が重要である.