抄録
本研究では, 波浪条件や再現期間に応じて海浜流場を平面2次元 (2DH) あるいは準3次元 (Q3D) で計算するハイブリッド型の3次元海浜変形予測システムを提案した. システムの適用性を検討するため, 現地における短期および中期における海浜変形再現計算を行った. 短期 (1時化程度) における沿岸砂州の変形, 構造物設置に伴う中期 (1年程度) におけるトンボロ形成の再現, および港湾周辺における地形変化計算を試みた. これらの計算結果から, 暴浪時 (短期) においては戻り流れを考慮するためQ3Dモードで計算し, 中期における通常波浪時には2DHモードで計算する必要があることが明らかにされ, 本システムの有効性が確認された.
