大型造波水路を用いて, ソリトン分裂津波が護岸上を越流遡上し矩形構造物に作用する場合について津波波力の実験を実施し波力評価法を検討した. 遡上水深が小さくなると, 越流水塊が陸上構造物に衝突時により高く跳ね上がり, 波圧の作用高さが遡上進行波の水位振幅に対して相対的に大きくなる. 波圧値は構造物の陸上付根付近で最大値を示し, 遡上水深が小さくなると, 朝倉ら (2000) の無次元波圧式を上回る場合がある. これに対し, 防波堤を対象とした場合, 作用高さと波圧値は進行波津波本体の水位振幅の3倍程度である. 実験による無次元波圧値を朝倉ら (2000), 池谷ら (2005) の実験結果も含めて整理し, 陸上遡上津波の波圧算定式を提案した.