2006 年 53 巻 p. 896-900
本研究は, 滑動量を考慮した性能照査型設計法を実用化するための種々の問題点について検討し, 実際の現地の設計に適用することを目的としたものである. 模型実験結果等をもとに消波ブロック被覆堤に作用する波力の特性について検討を行い, 滑動量を計算するための波力の時系列モデル (滑動モデル) を提案した. また, 高知港三里地区東第一防波堤を対象として, 現地の波浪出現特性および海底地形を考慮した数値シミュレーションを行い, 耐用期間中の滑動量の確率分布等の特性について検討するとともに, 現行設計法と許容変形量を用いた性能照査型設計法による断面の比較を行い, 建設コスト縮減効果について検討を行った.