宮城県石巻市の長面浦は強い閉鎖性を有し, 長年にわたりカキの養殖が行われてきた. しかし, 近年貧酸素水塊によるカキの斃死が認められる. そこで本研究では, 2002年より行われている現地観測を2004, 2005年も引き続き行い, 観測データを元に, 浦内の流動・水質特性を解明した. また浦内の水質環境は, 狭水路からの流入水の影響を大きく受けている. そこで流入水を支配する風と隣接河川の北上川流量から, ニューラルネットワークと3次元密度流モデルを用いて流入水塩分のシミュレーションを行った. さらにニューラルネットワークによる長期シミュレーション結果から, 流入水塩分の変動が浦内へ与える影響について検討を行った.