海岸工学論文集
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夏季有明海干潟前縁域における流動構造と貧酸素水塊の動態に関する現地観測
八木 宏松村 航裕井瀬 肇木元 克則
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2006 年 53 巻 p. 986-990

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抄録
夏季有明海湾奥部の干潟前縁域 (佐賀県福富沖) を対象として, 流動・成層構造・貧酸素水塊の挙動を把握するための現地調査を行った. 調査結果より, 潮汐が卓越する有明海の干潟前縁域においても, 残差流には海上風の影響が大きく,(1) 夏季に卓越する南風によって残差流は表層で湾奥向きになること,(2) 南風から西風へ変化すると, 沖合下層水が干潟前縁域下層に浸入し, 残差流は下層で湾奥向きに変化することが確認された. 特に, 沖合下層水の浸入時には, 中層で湾奥向き流速が最大となる特徴的な鉛直分布が形成され'沖合から干潟域への植物プランクトン等の輸送に影響を与えることが示唆された. 貧酸素水塊については, 観測期間中の干潟前縁域における急激なDO低下が, 沖合下層水の干潟前縁域への浸入に伴う成層強化と, 低温・低DO水の移流が原因であることを指摘し, 貧酸素水塊の湾奥域における平面的構造の変化を示した.
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© 社団法人 土木学会
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