抄録
食品によるトラブル、偽装問題等の発生により、安全・安心な食品への関心が高まってきた。安全性を確保し消費者の安心を得ようとする目的でトレーサビリティシステムを導入する企業が増えている。トレーサビリティは製品から使用原料を遡及するトレースバックと使用原料から製品の生産履歴、出荷履歴を追跡するトレースフォワードがある。しかし本来、安全な食品を製造する為に食品工場の現場では、作業時における事故未然防止システムを構築し、安全な製品を作り続ける体制を確立する事が重要である。その結果として、作業履歴データーを保存しておく事で、消費者からの問い合わせに対し、製品、作業履歴を限定し迅速に答える事が可能となる。消費者からの使用原料についての問い合わせに対する対応と、もらい事故等により使用原料にクレームが発生した場合、その原料を使用した製品を限定し、生産履歴、出荷履歴を迅速に範囲を限定して被害を最小限に食い止める事が重要である。この事故未然防止、トレーサビリティシステムを構築するに際し、外部取引メーカと迅速なやり取りを行なう為に標準化されたコード体系が重要なポイントであり、弊社は現場での実証、関連企業との連携を取りながら、原材料入出荷・履歴情報遡及システムガイドラインを(財)流通システム開発センターと食品企業30社とで共同作業で発行するにいたった。これらの現場目線で自社開発を行なった実績のあるシステムを発表する。