1997 年 24 巻 p. 149-152
1995年1月17日に発生した兵庫県南部地震はマグニチュードが7.2と発表されている。この値は近年北海道周辺で発生した大規模地震のそれと比較すると小さいものである。にもかかわらず、兵庫県南部の淡路・阪神地域から瀬戸内海湾岸地区を中心に関東大震災以降で最大と言われる被害を出す結果となった。本稿は、地震波形の考察が地震による被害を検討するに重要な視点であると考え、兵庫県南部地震で観測された強震記録と北海道開発局の道路部門で管理している強震計の設置地点で観測された北海道における大規模地震の強震記録を比較し、地震波形に現れた各地震動の震動特性を検討するものである。