抄録
液状化アレー観測において, 過剰間隙水圧が有効拘束圧の0.75程度まで上昇した際の地盤の加速度と過剰間隙水圧の時刻歴記録が得られた.この観測記録を用いた地盤の有効応力解析と全応力解析から, 過剰間隙水圧が上昇した地盤の地震時挙動を検討した.その結果, 有効応力解析から得られた過剰間隙水圧の最大値は有効拘束圧の0.4程度, 液状化層全体の平均的な上昇量は最大でも0.25程度であったが, 地表の加速度時刻歴や伝達関数は観測記録を概ね評価できた.観測記録に見られた過剰間隙水圧の大きな上昇は部分的と考えられる.また, 過剰間隙水圧の上昇を考慮しない全応力解析でも有効応力解析と同程度の結果が得られた.過剰間隙水圧の上昇量が有効拘束圧の0.25程度であれば過剰間隙水圧の上昇が地盤の地震時挙動におよぼす影響は小さいと考えられる.