抄録
地震動の観測記録がインパルス列によって駆動されるシステムの出力であるということを念頭におき, 時間軸上でランダムに発生するインパルス列の位相特性の確率論的性質を明らかにする。問題の取り扱いを容易にするために位相スペクトルの傾きである群遅延時間スペクトルtgr (ω) を導入する。インパルスの発生の分布形により位相の周波数特性が大きく異なるが, この特性を記述するために, 低周波数帯, 中間周波数帯, 高周波数帯の3つの区間にわけて, 各区間毎に確率密度関数のモーメントを中心に解析的, 数値的な議論を展開する。その結果, tgr (ω) の全帯域にわたるおおまかな周波数特性はフーリエ振幅スペクトルの特性に大きく依存しており, 各周波数帯毎にその特性を規定するパラメータがどのようなものであるかが明らかになった。