地震工学研究発表会講演論文集
Online ISSN : 1884-8435
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開削トンネルの縦断方向耐震設計に考慮する地震波長と構造目地間隔に関する研究
足立 幸郎中本 覚鈴木 直人
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2001 年 26 巻 p. 1205-1208

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抄録

応答変位法に基づく開削トンネルの縦断方向の耐震設計では、地震波の波長として基層と表層の調和平均波長、もしくは観測に基づくみかけの波長などが考慮される。しかし両者で算定される結果は著しく異なる場合がある。ここでは、阪神高速道路淀川左岸線の地盤構造を反映させた波長設定を行うことを考え、地動の変位振幅のほとんどが表面波の伝播に起因すると仮定して得られる地表面ひずみと、せん断波の伝播において地盤の不均一性から生じる地表面ひずみに基づき地震波長を算定した。検討の結果、計算された地震波長は、上述した既往の方法により算定される波長の中間的な波長が算定された。本検討結果に基づき開削トンネルの縦断方向の耐震性照査を行い、本路線においては構造目地間隔を80mに設定することが最も経済的であることが判明した。

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