抄録
現在, 既存不適格住宅に対する耐震化対策の推進が重要視されているが, 住民が耐震化に取り組みたいと思わない理由は, 技術的問題や居住者の災害意識・家庭事情など多岐にわたり複雑である. これらの実情を把握するため, 本研究では, 戸建て住宅の所有者を対象として住宅の耐震補強工事に関する意識調査を実施した. 耐震補強の実施意欲に対する住宅の安全性に関する意識・将来的な居住予定等の影響を詳細に把握した後, 耐震補強への意思決定を阻害する要因・促進する要因を分析した. また, 工事の依頼先に関する住民の関心事も調査し, 診断・補強技術や工事実施までのプロセスに対する住民側の様々な不安感も明らかにした. 以上の結果より, 住宅所有者による自発的な耐震補強対策の誘導方法について検討した.