2007 年 29 巻 p. 1017-1023
台湾島北西部は, 台湾の経済を支える重要な工場等の施設が集中する地域である。このような地域において, 地震動評価を適切に行い, 地震対策をすすめることは重要である。その基本的な情報としての地盤構造を推定するために, 地域の中心都市である新竹市周辺を対象として重力探査を行った。得られた重力値をもとに, ブーゲー異常を求め, さらに重力基盤を推定した。その結果, 新竹市周辺で約200 m, 南東部の最深部においては1200 m に達する基盤深度が推定された。重力基盤の起伏は非常に複雑で, これらの構造は地質学的に知られている向斜・背斜構造や断層と良い対応を示した。また, 地震動の数値シミュレーションを行って地盤の物性値を決め, シミュレーション波の走時がある程度観測記録を説明できるモデルであることを示した。