抄録
やや長周期の地震により石油タンク貯蔵液のスロッシングが発生し, 浮屋根の沈没, 破壊, そして最悪の場合, 火災発生といった問題が生じている. 本研究は, これらの対策として浮屋根の外周部に合成ゴム製の制振材を設置することで, スロッシングの減衰対策を行い, かつ浮屋根破壊を防ぐことを目的としている. 本論文では, ∅4,000タンク (苫小牧での被害タンクの約1/10スケールレベル) を製作して, 振動実験を行い, 制振材モデルの制振効果について評価を行った. この結果, 粘弾性体である合成ゴムからなる制振材によって, 地震時に発生するタンク内貯蔵液のスロッシングを抑制する効果が認められ, 貯蔵タンクの地震対策において有用な工法としての所見を得たので報告する.