環境工学研究論文集
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裂田水路における河床材料の変化が絶滅危惧種スナヤツメに与える影響に関する研究
渡辺 亮一山崎 惟義島谷 幸宏河口 洋一
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2007 年 44 巻 p. 67-73

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抄録
裂田水路は, その最初の記述が日本書紀に書かれている非常に由緒ある農業用水路である. また, 造られてから1500年以上経った現代でも使い続けられている日本で唯一の水路である. この水路は, 古代の土木技術の面影を残している貴重な土木遺産であるとともに, 生息している水生生物にとっても非常に希少な生息空間である. ここには24種の魚種が生息しており, その中には8種の希少種が含まれている. しかしながら, 平成15年から始まった水環境整備事業によって, 護岸改修が行われている. 本研究では, この改修工事に伴って, 絶滅危惧種であるスナヤツメの生息量がどのように変化するのかを明らかにすることを目的として研究を行った. その結果, 護岸改修に伴う物理的環境の変化によって, 河床材料が粗粒化したため, スナヤツメの生息量が減少したことが明らかとなった.
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© 社団法人 土木学会
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