2008 年 45 巻 p. 487-494
広島県では全国の生産量の約6割を占める年間約20, 000トン (むき身, 2005年) のカキが出荷されている一方, その養殖イカダの主要資材として使用されている竹類が年間5, 500トン廃棄されていると推定されている.本研究では, 竹がケイ素を多く含有するイネ科の植物であることに着目し, 炭化処理を施した後, 骨材代替材として用いることにより, ケイ酸イオン供給能を条する藻礁ブロックの製造を図った.ケイ酸イオン供給能に関しては, 約40週にわたる竹炭添加コンクリート供試体の浸漬実験により, 竹炭の重量添加率 (5-15%) に従って0.82-3.18g/m2の溶出量が得られ, その機能性を示唆した.また, カキイカダの回収ならびに竹炭の製造から海域での竹炭添加藻礁ブロック (2t型, 8基) の設置までを実際に行った.設置後約1年間の潜水調査により, 竹炭添加藻礁ブロック表面では無添加ブロックと比較して, 海藻類の着生が早いことなどが確認された.