環境工学研究論文集
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有明海湾奥部におけるカキ礁分布とカキ養殖による環境改善効果
伊豫岡 宏樹小川 裕樹楠田 哲也
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2008 年 45 巻 p. 501-506

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抄録

有明海の二枚貝の減少による懸濁物質濾過能力の低下が叫ばれているなかで、かつて有明海で盛んに養殖され、懸濁物質濾過能力に優れたカキに着目し、航空写真によりカキ礁の現存量を把握した。また、現地調査によりカキ礁内のカキのサイズ分布を明らかにし、人為的に保護策が取られていない場所ではエイなどによる食害にあっている可能性示した。加えて、ノリ養殖の妨げとなるとして撤去されたカキ礁による有明海の懸濁物濾過能力の変化およびBOXモデルを用いた数値計算によりカキによるプランクトン量削減能力を推定した。そして、2億個体のカキを1年半生育させ採取すると窒素が約360t、リンが約20t取り出されることを明らかにした。

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