環境工学研究論文集
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農業小流域から流出する粒子態汚濁物質の流出特性と負荷量把握に関する研究
李 衡峻増田 貴則細井 由彦
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2008 年 45 巻 p. 9-17

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抄録
農地は非特定汚染源の1つであり, 粒子態物質の流出が多いと予想される. 本研究では, 汚濁物質を形態別に分け, 水田を主体とする農業小流域から流出する粒子態物質に着目して流出特性と負荷量を明らかにすることを目的とした. 調査の結果, 灌漑期中でも農作業時期によって汚濁物質の流出は大きく異なり, 特に代かき・田植え, 中干し前半に粒子態物質の流出が多かった. 対象流域へ流入する負荷量と流出する負荷量の差から, 正味流出負荷量を求めた結果, SSとT-P, PPは流量の減少にも拘らず流出量が多く, TN, PNは時期によってマイナスの値を見せた. モデルを利用して雨天時の流出負荷を把握した結果, 灌漑期の降雨量が大きな影響を与えることが分かった. 晴天時と雨天時の結果から算定されたSS, T-N, PN, T-P, PP原単位はそれぞれ785, 16.9, 3.9, 6.7, 3.3kg/ha/yrであった.
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© 社団法人 土木学会
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