2004 年 20 巻 p. 89-94
ケーソンの滑動と回転に関する水理模型実験を実施した.ケーソンに作用する波圧の時間波形について谷本らの提案式と実験とを比較した結果, 谷本らの式は衝撃砕波圧の部分では実験値と比較的よく一致したが, 重複波の部分では実験値より大きくなることがわかった.そこで, 谷本らによって提案された波圧式の重複波部分に対して修正を行った.防波堤の滑動量とケーソンの回転角との関係を調べると, 回転角度が大きくなると滑動量が小さくなることが判った.そこで, 防波堤回転角度に比例するような抵抗力を導入する方法を提案した.新たに提案した波圧式とケーソンの回転に伴う抵抗力の式を期待滑動量の計算式に導入し, 滑動量を計算して, 実験値との比較を行った.