日本古生物学會報告・紀事 新編
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519. 長崎港外端島, 三ツ瀬層 (上部白亜系) 産の Salvinia mitsusense (新種)
松尾 秀邦
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1967 年 1967 巻 66 号 p. 49-55

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抄録
長崎港外高島炭田端島坑の海面下970mにある三ツ瀬探鉱坑道において1963年暮に採集したSalviniaの新種記載である。探鉱坑道に露出している三ツ瀬層は日隈四郎(1963)によると, 紫色の頁岩層が厚く発達し, 従来の"赤崎層"の下部にあたる。この部分に日隈が1962年に発見したInoceramus cfr. amakusensisを含むシルト質灰色岩層があって, その中に筆者は黄鉄鉱化したEquisetum sp.の茎と一緒に本種を認めた。三ツ瀬層は上記Inoceramusの産出や1962年に高島二子竪坑の略同層準岩層からTrachodonの骨片が発見されている等から九州の白亜紀層に対比すれば天草島姫ノ浦層群に相当する。白亜紀層産Salviniaとしては本邦最初のものであって, 東亜では満州本溪湖産に次ぐものである。
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